相続人の一人が音信不通な場合の解決方法

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相続人が揃わないと遺産分割協議が出来ない

遺産相続が発生した場合、相続人が複数存在するというケースでは相続人同士で遺産分割協議を行い、全員が納得した上で遺産の分配を行わなければなりません。

遺産分割協議を行うためには原則的に相続人の全員を集める必要があり、遠方に住んでいて顔を合わせられないという場合には書面等でのやり取りが必要です。

したがって、相続人のうち誰か一人でも音信不通で連絡が取れないというケースでは、そのままの状態で遺産分割を行うことは不可能になってしまいます。

遺産分割を進めるための解決法とは

音信不通になっている相続人を探す場合には、戸籍謄本や戸籍の除票を取り寄せることが最も効果的であり、これによって相続人の現住所が分かる可能性があります。

まずはここで知った住所に向けて遺産分割協議中であることを伝える手紙を送付し、当該相続人からの反応を待ちましょう。

それでも連絡を取ることが不可能だった場合には、民法第25条によって定められている不在者財産管理人制度を活用し、家庭裁判所による判断を仰ぐことになります。

音信不通の相続人に代わり、裁判所に関与してもらうことによって遺産相続を進めることが出来るようになり、スムーズな遺産分割協議を実施することが可能です。

もともと相続人の承諾が不要なケースもある

勘当など複雑な事情によって家庭を離れた結果として音信不通になった相続人がいるという場合には、相続人の同意なく遺産分割を完了させられる場合があります。

即ち、被相続人が遺言書によって遺産の分配を明確にしており、その有効性が認められた場合には音信不通になっている相続人を探す必要が無くなるのです。

また、最後の手段として家庭裁判所に失踪宣告を申し立てるという選択肢もあり、認められるとこの相続人は死亡しているとの扱いで遺産相続が行われます。

この記事の監修者

税理士　原　直哉(ハラ ナオヤ)

司法書士、行政書士、ファイナンシャルプランナー（FP）

経歴
相続において専門家のアドバイスが必要な方に対して、必要なサポートを行っている。